旧村山家 蔵工事日誌⑧
幸い心配した寒さもそれほど続かず比較的暖かい日もあったおかげで左官工事も順調に進みました。荒壁の調整から中塗り、そして漆喰仕上げ塗りとベテラン左官さんの見事なコテ捌きで見る見る塗られていきます。
軒裏も壁も真新しい漆喰が清々しいです。軒裏の垂木のナミナミした塗りのことをこの地方ではヌタグリといいます。なんとも言えない滑らかな曲線が優しいです。
東側の窓に以前からあった庇を修理して元の位置に取り付けます。
グッとかっこよくなりますね。
左官工事だけでなく大工工事や建具工事などもどんどん最終段階に入ってきています。土蔵の入口には外側から土戸、格子戸、板戸と3枚入っています。一番外側の土戸は防火のため外側に土を塗っているためとても重いです。普通の戸車では壊れてしまうのでコロみたいなもので戸を転がせるようになっています。
その名もソロバンっ! 算術に使う算盤が語源でしょうか、先人の知恵ですね。